特集 抗加齢医療
  老化度測定で、 受診者に適したサプリメントを処方。  健康な長寿社会を目指し、 病気を未然に防ぐ 「予防医療」 が普及しつつある。 その一環として 「アンチエイジング (抗加齢) 医学」 が医療関係者からも注目を集めている。 アンチエイジング医学とは、 適切な食事、 運動、 精神療法を指導し、 老化の原因に対して早めに対処し、 年齢を重ねても健康で質の高い生活を維持することを目的とした究極の予防医学。 こうした中、 新しい健康診断 「アンチエイジングドック」 が話題を呼んでいる。

 アンチエイジングドック。 

 アンチエイジングドックは、 従来の人間ドック・健診の目的である生活習慣病の早期発見・予防・早期治療に加え、 老化や生活の質 (Quality of Life:QOL) の劣化についても早期に発見して、 予防と治療を目指すものである。
 バイオマーカーサイエンス (本社・大阪市、 西川浩司社長) が展開する 「アンチエイジングドック」 では、 血液検査、 尿検査、 問診などによる 「一般検査」 と専用機器を用いた 「アンチエイジング検査」 により、 受診者一人ひとりの骨年齢、 筋年齢、 血管年齢、 ホルモン年齢、 神経年齢を算出する。 さらに、 酸化ストレス度 (体のサビ具合) を遺伝子損傷、 酸化前駆因子、 酸化損傷、 水溶性抗酸化物質、 脂溶性抗酸化物質により測定するところにも特徴がある。

 このドックは、 日本抗加齢医学会の副理事長、 京都府立医科大学の吉川敏一教授 (バイオマーカーサイエンス最高科学責任者) や、 同志社大学アンチエイジングリサーチセンターの米井嘉一教授が開発したもので、 こうした抗加齢医学の専門家である医師が、 受診者へフィードバックする所見にも協力している。
 こうした検査を単独の医療機関で実施すると、 検査料が高額になってしまうが、 バイオマーカーサイエンスが開発した 「エイジングチェック」 のシステムを導入することで、 3〜10万円に抑えることが可能となった。

 日常生活の改善法を提案。 

 ドックを受診することで、 受診者は未病段階で自分の健康度合い、 老化度合いを測定し、 その結果に応じて食事や運動など日常生活の改善を図りやすくなる。 継続して受診すれば、 健康に対するモチベーションを持つこともできる。

 医療機関は、 ドックを導入することで、 医療費抑制策による診療報酬削減への対応が可能となる。 今後、 医療費の窓口負担額が増える中、 国民の 「治療より予防」 というニーズはますます高まっていくことが予想され、 一人ひとりが健康な生活を送れるように早期の治療や生活改善への指導を行うことは、 医療機関にとっても重要になってくる。

 さらに、 バイオマーカーサイエンスは、 バイオマーカーを開発する研究開発企業であり、 同社が開発した疾病予防マーカー、 酸化ストレスマーカーが今後、 アンチエイジングドックにも取り入れられていく。 これにより、 従来はわからなかった病気の要因を測定できるようになり、 その治療法や日常生活の改善法が提案できるようになる。

 ファンケルが医療用サプリを開発。 

 現在、 アンチエイジングドックを実施する医療機関は、 全国に約40施設あり、 今後も増加することが予想される。

 ドックでは、 受診者の老化度を測定するだけでなく、 その結果により、 アンバランスな老化を改善するための食事や運動療法などもアドバイスする。 食事では不十分な栄養素を取り入れるうえでは、 サプリメントの処方が有効な場合も多い。 「エイジングチェック」 のシステムを導入する医療機関には、 ファンケルが開発した医療機関向けのサプリメント 「FANCL CLINICAiD (ファンケルクリニケード)」 が提供される。 このサプリメント開発にも、 吉川教授やバイオマーカーサイエンスが協力することで、 科学的、 臨床的な根拠に基づいた商品開発が可能となった。

 「FANCL CLINICAiD」 シリーズは、 筋肉を構成するタンパク質に多い必須アミノ酸を主成分とした 「ムスケチン」、 加齢により増加する脂質を酸化から守る 「トコフェロール」 など、 現在13品目が販売されている。 例えば、 ドックの結果により血管年齢が老化している受診者には、 動脈硬化防止に効果的なDHA (ドコサヘキサエン酸) を配合したサプリメント 「スクレロリジン」 を提案することができる。

 サプリメントの効果的利用により病気を予防することのニーズは高い。 これまで医療機関のサプリメントへの意識は低かったが、 国民の健康志向や予防医療へのニーズの高まりを受けて、 徐々に関心は高まっている。 アンチエイジングドックによる病気の予防診断と、 エビデンスに基づくサプリメントの開発により、 医療機関も安心して患者にサプリメントを処方できるようになり、 今後は医療機関向けのサプリメントも広く普及していくことが期待される。

 アンチエイジング検査の結果例

(Medical Nutrition 86号より)


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