特集 抗加齢医療
  70項目の検査で動脈硬化等のリスクを把握。
 清水クリニックの「サプリメント外来」
 「患者の栄養状態を調べて、 サプリメントをオーダーメイドで処方する」 ―。 予防医療にピッタリの顧客サービスを提供する医療施設が増え始めている。 血液検査や尿検査で体内環境をチェックできるのは医療機関の専売特許。 この強みを活かして、 検査値に基づくサプリメント療法を展開すれば病医院のイメージは一変する。 東京・西荻窪で開業する清水クリニック (清水篤院長) では、 今年2月からサプリメントの選び方、 摂り方を指導する 「サプリメント外来」 を始めた。

 医師の立場からサプリメントの選び方を指導。 

 「当院に来られる患者様の中に、 90歳を超えても驚くほど元気な人がいます。 その方と接していると、 肉体年齢と暦年齢のギャップは何なのか、 ということをつくづく考えさせられます」。

 開業して10年。 清水院長は、 地域住民への"かかりつけ医"としての役割に加えて、 歳を重ねても元気でいられるアンチエイジング医療を提案するようになった。 とっかかりは、 患者の中でも利用者が多いサプリメントだった。

 「私自身も摂っていましたので、 興味はありました。 ただ、 患者様の話を聞いていてわかったんですが、 ほとんどの方はテレビ番組などの断片的な情報に頼ってばかりで、 自分に合った商品を選ぶ手段がないのです」 (清水院長)。

 そこで清水院長は、 医師の立場からサプリメントの適切な選び方を知ってもらおうと、 今年から 「サプリメント外来」 を始めた。 1月下旬、 院内の待合室に患者を集めて勉強会を開いた。 ここで院長は、 個々人によって食生活が違うので必要な栄養素が異なる点や、 サプリメントと言えども過剰摂取には注意しなければならないことを丁寧に説明。 これに対し、 参加者からは、 「更年期に良いサプリンメントは?」 「美容のために飲んでみたい」 など、 様々な質問や相談が寄せられた。

 サプリメントドックでオーダーメイド処方が可能に。 

 サプリメント外来では、 問診で生活習慣を聞いたうえで、 選び方や摂り方などをアドバイスする相談外来と、 血液検査と尿検査を行って体内環境を調べるドックシステムを用意している。

 体内環境検査は、 高輪メディカルクリニック院長の久保明医師 (東海大学医学部教授) が考案し、 アンチエイジングドクターズ(株)が全国の医療機関に営業展開している 「サプリメントドック」 を導入した。

 同ドックは、 一般検査に加えて活性酸素・抗酸化力、 ホルモンバランスなど70項目の検査を行うことで、 ビタミン、 ミネラルの過不足、 動脈硬化、 貧血の要因など体内環境を詳細に把握することができるので、 検査結果を踏まえて、 生活改善指導を行ったり、 適切なサプリメントを処方することが可能になる。

 受診者には、 3週間後に検査結果と共にアドバイスシートが送られてくる。 例えば、 ビタミンB2の項目では、 「エネルギーを産生するときに必要なビタミンの一つです。 不足すると口内炎や口角炎の原因になります」 といった具合に栄養素の働きやリスク要因などが書き込まれている。 受診者は、 何が不足しているかが自覚できるので、 医師が推奨するサプリメントのコンプライアンスが高まるという利点がある。

 病気の早期発見が目的の一般健診とは違って、 疾病予防のために開発されているので、 地域住民の健康管理にはうってつけの検査システムだ。

 「中高年になると、 総コレステロールが高めになります。 食事の影響で脂質バランスが崩れている場合は、 食事を改善したり、 ウォーキングなどの運動で下がるんですが、 閉経後の影響、 つまりホルモンバランスが関係している場合は食事だけでは、 なかなか下がりません。 その際は、 多価不飽和脂肪酸などのサプリメントを上手に利用することが重要になります。 ですから検査自体も脂質の値を見るだけはなく、 ホルモンバランスを見るなど横断的かつ総合的な検査システムが必要になってくるのです」 (清水院長)。

 同クリニックで行っているサプリメントドックの検査料は、 税込みで4万9800円。 高いと感じるか、 安いと感じるかは患者によるが、 サプリメントの購入に月に2万、 3万円もかける人にとっては、 けっして高くはない。 検査によって、 無駄なサプリメントが省ければ検査代を相殺することも可能だ。

 院長自らチラシつくり告知。 

 サプリメントドックの告知は、 院長自らが手作りでチラシを作成する。 こうした地道な努力で、 利用者は徐々に増えだしている。 5月からは、 クリニック専用のサプリメントの推奨を始めるほか、 ビタミンドックの受診も開始する。

 「若い患者さんにはサプリメント外来でもいいんですが、 年配の方は老化予防外来または抗加齢外来の方がピンとくるかもしれません。 老化を予防するということは、 全ての疾患の予防につながりますから、 症状が全くない段階でも、 ぜひ受診してほしいですね」 (清水院長)。

 最近は、 更年期の女性の間で大豆イソフラボンのサプリメントが人気だが、 食品安全委員会が1日摂取量を30mg以下に設定したため、 販売現場では混乱を招いている。 ただ、 この数値設定は、 あくまでリスク回避のための集団平均値だ。 個人差を考慮すれば、 個々人によって上限値は変わってくる。 それを知るうえでも、 オーダーメイド処方が可能なサプリメントドックの受診が必要になる。

(Medical Nutrition 86号より)


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