「アンチエイジング」は美容だけにあらず。内科医の観点から疾病予防に活用。
 赤坂アンチエイジングクリニック

若いころに比べて、 体がいうことを聞かなくなってきた――中高年なら誰しも感じる老化現象をアンチエイジング医療の治療対象として、 加齢に伴う様々な疾病を予防していこうとするクリニックが昨年2月、 東京・赤坂にオープンした。 「赤坂アンチエイジングクリニック」では、 完全予約制の 「アンチエイジング内科」 を設置、 内科的立場からのアンチエイジング医療を指導する。 クリニックの森吉臣院長に診療の様子を聞いた。


 治療に際しては「アンチエイジング検査」を。

一昨年8月まで獨協医科大学で教鞭を司っていた森院長が、 東京・赤坂の地にアンチエイジング専門のクリニックを立ち上げたのは昨年2月。 アンチエイジング医療を内科領域に活用することで、 加齢によって引き起こされる様々な疾病を積極的に予防したいとのコンセプトからだ。 しかし、 アンチエイジング医療は美容とイコールのイメージが世間では強い。 そのため、 開業当初は美容皮膚科への来院患者がほとんどを占めていたと森院長は振り返る。

「内科や検査を受診される患者さんが増えてきたのは、 ごく最近のことです。 そう考えると、 この1年でアンチエイジングに対する世間の印象は大きく変わってきたように感じています」。

こうした多様化するアンチエイジング医療に答えるため、 クリニックでは各種ホルモン調整療法やデトックス療法、 ローフードダイエットや週末プチ断食といった痩身内科療法を軸とした 「アンチエイジング内科」 を展開する。 治療に先立って行われる 「アンチエイジング検査」 と併用することで、 患者自身が老化を促進させる危険因子がどのぐらい存在するのかを把握しながら、 施術を受けることを可能にしている。


 治療対象は、 40歳以上の中高年層。  

オプションとして用意されている毛髪重金属や血液粘度、 活性酸素・抗酸化力やホルモンバランスなどから分析項目を選択し、 これらの結果をベースとして 「健康老化度ドック」 によって加齢度を客観的に判定する。

この判定結果を受ける形で、 アンチエイジング内科を受診することになる。 ヒト成長ホルモン (HGH) を中心に補充する総合ホルモン調節療法、 性ホルモンを中心にホルモン補充を行う男性壮年期調節療法、 女性壮年期調節療法の3種類のホルモン調整療法が用意されており、 半年から1年かけて施術を行うことで体内のホルモンバランスを40 歳レベルにまで回復させる。 全額自費負担で1ヶ月あたり3万1500円から31万5000円。 1ヶ月から3ヶ月に1回の通院が必要だ。


 コラーゲンの再合成にはアミノ酸比率が重要。 

クリニックでは、 アンチエイジング内科の一環としてサプリメントについても積極的に指導している。 指導するのは、 美容サプリメントとして知られているコラーゲン。 免疫力の増強をはじめ、 女性の場合では肌の改善効果が期待できるからだ。

「サプリメントといえば、 ビタミン・ミネラルが主流だと思われがちですが、 実は人間の体の約3分の1を形成するたんぱく質を補充してやることがアンチエイジングを考えるうえでは大切です。 なかでも、 細胞がきちんと働くためには、 細胞間に存在する間質がしっかりしていないといけなく、 その間質の栄養補給のカギを握るのがコラーゲンです。 コラーゲンには細胞同士をつなぎ止める働きがあるほか、 臓器の働きを助けるなど重要な働きをしておりますから、 コラーゲンの代謝が悪化してしまうと、 老化が促進していくことになるのです」。

ただ、 摂取したコラーゲンがそのまま間質に含まれているコラーゲンとなるわけではない。 コラーゲンの多くは、 体内でアミノ酸 (プロリン) レベルにまで分解・吸収されて間質のコラーゲンに再合成されるからだ。 しかし、 森院長によれると、 間質に含まれるコラーゲンが不足してくると、 間質に含まれるコラーゲンと同じ比率のアミノ酸を補充してやるとことで、 間質に含まれるコラーゲンと同等のものが再合成される可能性が大きくなると指摘する。

「従って、 アミノ酸の比率が大切でして、 そういった意味では、 人間のコラーゲン組成に近いブタ由来のコラーゲンが適しているといえましょう」。

 人生の質を高める医療に。 

アンチエイジング医療は、 人生のクオリティーを上げる医療――と評する森院長。 その意味で、 20年、 30年後の人生設計を考えるうえで、 アンチエイジング医療は有用なのではないかと指摘する。 「肉体的にも精神的にも、 元気で100歳近くになっても社会と関われることができれば、 どんなに幸せなことでしょう。 日本が健康長寿国をうたうのであれば、 アンチエイジング医療を1つの予防診療科として積極的に保険適用させていくべきでしょう」---森院長は、 これからアンチエイジング医療に取り組みたいドクターに対しても、 気軽に応じていく姿勢だ。

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プロフィール
 森 吉臣 (もり・よしおみ)
昭和43年日本大学医学部卒、 追浜中央病院、 米国カリフォルニア大学医学部付属病院、 日本大学医学部付属板橋病院、 獨協医科大学越谷病院副院長を経て、 平成17年に赤坂アンチエイジングクリニックを開業。 獨協医科大学名誉教授。 日本抗老化医学会認定医。 日本抗加齢医学会専門医。 日本アンチエイジング・メディカルスパ協会副理事長。

(Medical Nutrition 86号より)


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